障害者の雇用の促進等に関する法律により、すべての会社や事業主は、障がいのあるひとをすすんで雇用することに努めなければいけません。
なお、民間企業においては、雇用している従業員(短時間労働者を含む常用労働者)の人数にたいし、国がさだめる法定雇用率以上の障がい者を雇用することが義務付けられています。
令和8年5月現在、法定雇用率は2.5%とさだめられていますが、厚生労働省の決定により、令和8年7月以降の法定雇用率が“2.7%”に引き上げとなります。
障害者雇用率
常用労働者と短時間労働者の総数にたいする障がい者の実雇用率を求めます。
- 常用労働者
週の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用されるひと・見込みのひとです。 - 短時間労働者
常用労働者のうち、週の所定労働時間が30時間未満のひとです。
- 短時間労働者以外の常用労働者1人あたりを1人とカウント、短時間労働者1人あたりを0.5人とカウントし、常用労働者の総数を求めます。
- 雇用されている障がい者の総数を求めます。
つぎの表のとおり、障がいの種類と週の所定労働時間によって対象者1人あたりの人数がカウントされます。
| 週の所定労働時間 | 10時間以上 | 20時間以上 | 30時間以上 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者 | 1人 | 0.5人 | – |
| 身体障害者 重度 | 2人 | 1人 | 0.5人 |
| 知的障害者 | 1人 | 0.5人 | – |
| 知的障害者 重度 | 2人 | 1人 | 0.5人 |
| 精神障害者 | 1人 | 1人 | 0.5人 |
2.で計算した障がい者の人数を、1.で計算した常用労働者の人数で除し、障害者雇用率となります。
※ 就労継続支援A型事業所の利用者は対象となる障がい者数のカウントに含みません。
たとえば、正社員が20人・フルタイムのパートタイマーが15人・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満のパートタイマーが18人いる会社の常用労働者数をカウントすると、20人+15人+9人=44人となります。
この会社の障害者雇用率は、常用労働者44人×現行の法定雇用率2.5%=1.1人となります。ただし、令和8年7月以降の障害雇用率は、法定雇用率の引き上げにともない1.188人となりますが、1人未満の端数は切り捨てることになっており、この会社は1人以上の障がい者を雇用しなければいけないこととなります。
ただし、技術職や専門職など、職種におうじて障がい者の雇用義務を軽減する「除外率」制度があります。
たとえば、常用労働者が40人の介護老人保健施設では、介護老人保健施設の除外率が20%のため、常用労働者40人ー(40人×除外率0.2)×現行の法定雇用率2.5%=0.8人となり、障がい者の雇用義務はありません。
- 従業員数が40人以上の会社や事業主は、公共職業安定所にたいし、毎年6月1日現在の障がい者の雇用に関する状況を報告しなければいけません。「障害者雇用状況報告」の様式が厚生労働省ホームページに掲載されています。
なお、5か月以上常用労働者数が100人を超える会社で、実際の障がい者の雇用者数が法定雇用率を満たしていない場合、「障害者雇用納付金」を納付しなければいけません。納付額は、雇用しなければいけない障がい者の人数から実際に雇用している人数を差し引いた人数に、法定雇用率を満たしていない月数と5万円を乗じた金額となります。
それにともない、常用労働者数が100人を超える会社は、4月から翌年3月までの障害者雇用納付金の申告をしなければいけません。令和8年度(令和8年4月から令和9年3月)分の申告期間は、令和9年4月1日から令和9年5月17日までです。申告や納付を怠ってしまったときは、延滞金などのペナルティが生じるおそれがあります。
令和8年6月までは法定雇用率が2.5%であること、令和8年7月以降については各月の法定雇用率が2.7%となることに注意し、雇用の状況を見直しましょう。

