令和8年4月1日から7月31日まで「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン(厚生労働省ホームページ)が実施されています。
新入生など多くの学生さんがあたらしくアルバイトをはじめるこの時期、自身の労働条件の確認をうながすため、制度の周知や相談体制の強化がされているものです。
今回は、学生アルバイトの方が確認しておくべきことや、学生アルバイトを雇用する事業主の方が気をつけるべき点についてご紹介します。
労働基準法の遵守
学生アルバイトであっても通常の労働者と等しく労働基準法の適用をうけますが、当キャンペーンでは、つぎの事項が重点的に呼びかけられています。学生アルバイトを使用する事業主が特に注意すべき点となっています。
- 労働条件の明示
- 学業とアルバイトの両立に配慮したシフトの設定
- 休憩時間や年次有給休暇の適切な取扱い
- 労働時間の適正把握による適切な賃金の支払い
- 商品の買取り強要などの防止とその代金の賃金からの控除の禁止
- 労働契約の不履行にたいしてあらかじめ損害賠償請額を定めることや労働基準法に反する減給制裁の禁止
- 労働条件の明示
労働基準法第15条により、労働契約時は労働者にたいして賃金や労働時間、労働条件などを明示しなければいけません。なお、政令が定める方法で明示する必要があり、「労働条件通知書(雇用契約書)」を書面などで明示する必要があります。
労働条件通知書(雇用契約書)の様式は厚生労働省ホームページよりダウンロードすることができます。明示が必要な事項についてご参照ください。 - 学業とアルバイトの両立に配慮したシフトの設定
パートタイム労働法第2条の2では「生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる機会が確保され、職業生活の充実が図られるように配慮されるものとする」とされています。
学生の本業は学業であり、その支障となるような勤務をさせることは望ましくありません。特に試験前や試験期間中は学生アルバイト本人の意向を確認しながらシフトを設定するなどしましょう。
一方、学生アルバイト本人が希望しない状態でシフトを削るなどして休業させる場合は、労働基準法第26条により休業手当を支払わなければいけませんので注意しましょう。 - 休憩時間や年次有給休暇の適切な取扱い
労働基準法第34条により、勤務時間が6時間を超える場合は45分以上、勤務時間が8時間を超える場合は60分以上の休憩を与えなければいけません。たとえば、学業が休みの日、朝9時から午後3時までのシフトであれば休憩は不要ですが、極端ですが朝9時から午後3時1分までのシフトであれば45分以上の休憩を与える必要があります。なお、休憩は勤務時間内の途中に与えることや、原則ほかの労働者と一斉に与えるよう定められています。
また、労働基準法第39条により、6か月間継続して勤務し、そのあいだの出勤率が8割以上である場合は年次有給休暇を付与しなければいけません。原則、学生アルバイトの請求する時季に付与する必要があります。たとえば、週の所定労働時間が3日の学生アルバイトが、雇入れ日の6月1日から11月30日のあいだに8割以上出勤していた場合は、12月1日以降に5日以上の年次有給休暇を付与することになります。 - 労働時間の適正把握による適切な賃金の支払い
学生アルバイトにたいしても、事業所がある都道府県に定められた最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。賃金の支払いに際して、勤怠の実績を確実に把握することが必要であり、制服の着用や研修など業務のための準備に要した時間にたいしても賃金の支払いの対象になります。
また、学生アルバイトのひとが1日に8時間以上、週に40時間以上労働する機会は少ないかもしれませんが、これらを超えて勤務した場合は、超えた時間について通常の給与とは別に、割増賃金を支払わなければなりません。事業所で法定休日として定められた日に勤務したときも、割増賃金を支払う必要があります。 - 商品の買取り強要などの防止とその代金の賃金からの控除の禁止
労働基準法第24条により、源泉所得税や社会保険料など法令に別段の定めがあるものを除き、労働組合や労働者を代表する者との協定がないかぎり、賃金から購買代金などの控除をすることは認められません。 - 労働契約の不履行にたいしてあらかじめ損害賠償請額を定めることや労働基準法に反する減給制裁の禁止
労働基準法第16条により、労働契約の時点で、遅刻や欠勤、器物損壊などの損害賠償について一定額の罰金を定めてはいけません。また、就業規則に定めている規律などの違反にたいして減給する場合は、平均賃金の1日分の半日を超えたり、一回の賃金の総額の半分額を超えてはいけません。
学生アルバイトのひとも、ほかの労働者とおなじく労働基準法の適用の対象であることを説明しました。当然ながら、これに違反すると罰則の対象となりえるため、ルールの遵守につとめましょう。

学生アルバイトの雇用をはじめ、雇用や労務についてお悩みのある事業主の方は、ぜひ社会保険労務士までご相談ください!
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2026.06.19

